ことわざ辞書「い」から始まることわざ

「い」から始まることわざ一覧

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ことわざよみ意味
言いたい事は明目言えいいたいことはあすいえ腹をたてたり興奮したりしているとき、感情のままに言いたいことを言うと、後で悔やむことになるという戒め。
言い出しこき出し笑い出しいいだしこきだしわらいだし最初に臭いと言い出した者、笑い出した者がおならをした犯人である。転じて、噂などを人から聞いたと話している本人が、その噂を作り出して話していることが多い。
言うは易く行うは難しいうはやすくおこなうはかたし口で言うのは簡単でだれにでもできるが、いざそれを実行するのは難しい。言うのとおこなうのは別である。
家柄より芋茎いえがらよりいもがら落ちぶれて実力もないのに、旧家、門閥といった家柄を誇るのをあざけったことば。
家に無くてならぬものは上がり框と女房いえになくてはならぬものはあがりかまちとにょうぼう家には必ず上がり框がついているように、主婦も家になければならない存在である。
家に女房なきは火のない炉のごとしいえににょうぼうなきはひのないろのごとし家に主婦がいないというのは、大事なものが欠けていることになり寂しい。
家に鼠国に盗人いえにねずみくににぬすびと規模の違いはあるものの、どんな社会にも悪さをする者がいる。
家貧しくて孝子顕るいえまずしくてこうしあらわる家が貧しいと親の苦労がよくわかるので、子供は家計を助けてよく働き、その親孝行が世間に知られるようになる。
家貧しくして良妻を思ういえまずしくてりょうさいをおもう貧しい境遇になると、それを何とか救ってくれるような、内助の功に優れた良妻が欲しくなるという意味。
家を道端に作れば三年成らずいえをみちばたにつくればさんねんならず道に面したところに家を作ろうとすると、他人の口出しが多くてなかなかできあがらない。他人の助言を信じていちいち聞いていると、何事も成し遂げられない。
毬栗も内から割れるいがぐりもうちからわれる女性も年ごろになると自然ときれいになり、色気づく。いがに刺されないためには自然に割れるのを待つのが賢明、という意味も含む。
怒りは敵と思えいかりはてきとおもえ怒ることは身を滅ばす敵と思って慎むことが大切だという戒め。
怒れる拳笑顔に当たらずいかれるこぶしえがおにあたらず怒って振り上げた拳も、笑顔の相手には拍子抜けがして打ち下ろせないように、高圧的な態度で出てきた相手には、優しい態度で接するほうが効果があるという教え。
生き馬の目を抜くいきうまのめをぬく生きている馬の目を抜き取るほどすばやいこと。また、ずるくて抜け目なく、油断のならない。
行きがけの駄賃いきがけのだちんある仕事をするついでに他の仕事をして、不当な利益を得ること。
生きている犬は死んだライオンに勝るいきているいぬはしんだらいおんにまさるどんな偉人な人でも死んでしまっては終わりだ。凡人でも生きているほうがいい。
生きての恨み死しての嘆きいきてのうらみししてのなげきこの世に生きている間は恨みとなり、死んだ後はあの世での嘆きとなるような大きな痛恨事のこと。
生きの臭きは主知らずいきのくさきはぬししらず自分の息の臭いのは本人はわからないように、自分の欠点には気がつかないものだ。
生き身は死に身いきみはしにみこの世に生きている者は必ず死ぬ、いつ死ぬかわからないという生者必滅の教え。
衣錦の栄いきんのえい高価な錦の衣服を着て帰郷する意味から、立身出世して富貴の身となり、晴れがましい姿で故郷に帰ること。
行く行くの長居りいくいくのながおり「もう帰る」「すぐ帰る」と口で言いながらいつまでも話し込んで長居する。
戦見て矢を矧ぐいくさみてやをはぐ戦いが始まってから矢を作る。何か事が起こってから慌てて対策を練る愚かさをいったもの。
生簀の鯉いけすのこい料理されるために生簀に飼われている鯉のように、死ぬべく運命が決まっている。
意見と餅はつくほど練れるいけんともちはつくほどねれる餅はつけばつくほど練れて粘りのあるよい餅になる。他人の意見もつき従えば従うほど、利がある。
諍い果てての乳切り木いさかいはててのちぎりぎ間に合わないこと、時期に遅れる。
いざ鎌倉いざかまくら一大事が起きた場合をいう言葉。鎌倉に幕府があった時代、大事が起きれば全国の武土が我先に馳せ参じたというところから使われた。
砂長じて巖となるいさごちょうじていわおとなる取るに足りないものでも、たくさん集まれば大きな価値のあるものになるたとえ。
石臼を箸に刺すいしうすをはしにさす石臼を箸で突き刺すのは無理なことから、どうしてもできない。無理を言うこと。
石が流れて木の葉が沈むいしがながれてこのはがしずむ道理に反すること、世の中のありさまが理不尽である。
石に漱ぎ流れに枕すいしにくちすすぎながれにまくらす間違えてさかさまのことを言うこと。負け惜しみが強くて、自分の間違いに屁理屈をつけて正当化すること。
石に立つ矢いしにたつや心を込めてやれば、どんなことでもできる。中国漢の李広が草むらの石を虎だと思い込んで弓を射たら矢が突き刺さったという故事による。
石に布団は着せられぬいしにふとんはきせられぬ親が死んでからでは孝養はつくせないから、生きているうちに孝行せよとの教え。
石の上にも三年いしのうえにもさんねん冷たい石の上でも三年座っていれば暖かくなるように、つらいことでも辛抱して努力すれば必ず報われるという教え。
石橋を叩いて渡るいしばしをたたいてわたる堅固な石橘ですら叩いてその安全を確かめてから渡るように、用心のうえにも用心を重ねるたとえ。慎重すぎる人を皮肉って用いることも多く、さらに「石橋を叩いても渡らない」などという。
意地張るより頼張れいじはるよりほおばれ意地を張って食べずにいるよりは、たとえ卑しく思われても食べたほうが勝ち。
石部金吉いしべきんきち人の心の動き、感情の機微にうとい人や、何事につけ融通のきかない人に当てつけて用いる。とりわけ、恋する男女の間の心情を解することのできない堅物に当てはまる。
医者が取るか坊主が取るかいしゃがとるかぼうずがとるか病人は、生きていれば医者の世話になり、死ねば坊さんの世話になることになるが、そのどちらともつかず生死の境をさまよっている重病人のこと。
医者寒からず儒者寒しいしゃさむからずじゅしゃさむし病気を治す医者は、謝礼が多く生活が豊かであるが、学問を教える学者は、謝礼がわずかでいつも貧乏である。
医者上手にかかり下手いしゃじょうずにかかりべたどんな名医の言うことでも、患者が信頼して従わなければ病気は治らない。そこから、相手を信用しなければ物事はうまくいかない。
医者と味噌は古いほど良いいしゃとみそはふるいほどよい医者は経験を積むほど信頼がおけるようになるし、味噌は年月をかけて熟成するほど味がよくなる。
医者の薬も匙加減いしゃのくすりもさじかげん医者がどんなに良い薬を使おうとも、分量が正しくなければ効き目はない。つまり、匙加減が大切だということから、何事も適度が大切だという戒め。
医者の不養生いしゃのふようじょう医者は他人には養生の大切さを説くが、自分は案外不養生だという意味で、立派なことを言いながら実行が伴わないたとえ。
衣食足りて礼節を知るいしょくたりてれいせつをしる人間は生活に困ることがなくなって初めて、礼儀や節度を気にかけ重んじるようになる。
いすかの嘴いすかのはしいすかはスズメ科の鳥で、くちばしの先が上下食い違っているのが特徴。ものごとが食い違って思いどおりにならない。
出雲の神の縁結びいずものかみのえんむすび結婚は出雲大社の神さまが男女を結びつけることであり、人間の意志を超えたものであるという意味。
出雲の神より恵比寿の紙いずものかみよりえびすのかみ色恋よりも、金に恵まれたほうがよい。「出雲の神」は、出雲大社の神で縁紙びの神様。「恵比寿の紙」は、福の神の「恵比寿の神」を「紙」にかけたもので、紙幣を意味する。
何れ菖蒲いずれあやめどれがあやめかわからない。どれも優れていて選択に困ることをいう。
居候の三杯目いそうろうのさんばいめ他人の世話になって食わせてもらっている者は、食事の際も遠慮して、三杯目のお代わりは気兼ねしながらそっと出す。
急がば回れいそがばまわれ急ぐときは、危険がある近道を通りたくなるのが人情だが、そんなときこそ回り道でも安全な道を選んだほうが結局は早く着くものだ。急ぐ仕事はかえって着実にていねいにせよとの教え。
磯際で船を破るいそぎわでふねをやぶるせっかく波打ち際まで船を乗り着けながら、上陸しないうちに船を壊してしまうということで、物事を行っていて達成直前に失敗する。また、達成直前は気のゆるみから失敗しやすい。
急ぐな休むないそぐなやすむな仕事の成果を早く見たいと焦ると、つい手落ちがあったり、疲れすぎたりする。また、苦労をいとって休んでいたのでは仕事は終わらない。大きな仕事を成し遂げるための心得といえるもの。
磯の鮑の片思いいそのあわびのかたおもい鮑は片貝(一枚貝)であることから、片思いにかけて、相手を思うだけで相手は何とも思ってくれないたとえ。
痛い上の針いたいうえのはり痛い所にさらに針を刺す意で、悪い出来事が重なるたとえ。
痛くもない腹を探られるいたくもないはらをさぐられる腹痛を起こしたわけでもないのに、痛いところはここかあそこかと腹を探られる。やましいところもないのに、邪推されていらぬ疑いをかけられるたとえ。
鼬の最後っ屈いたちのさいごっぺいたちは危険が迫ると尻から悪臭を放って敵をひるませる。このことから、進退きわまったときに非常手段に訴えることをいう。最後になって醜態を演じるという意味もある。
鼬のなき間の貂誇りいたちのなきまのてんぼこりいたちはてんの強敵である。いたちがいない間だけてんが威張る。自分より強い者のいない間に大威張りする。そういう人間を嘲笑する言葉でもある。
痛む上に塩を塗るいたむうえにしおをぬる痛い傷口の上に塩を塗ると、いっそう痛みが激しくなることから、悪いことが起きているところへさらに悪いことが重なるたとえ。
一瓜実に二丸顔いちうりざねににまるがお女性の容貌に等級をつけていったもの。続けて「三平顔に四長顔、五まで下がった馬面顔」などとつけ加えることもあった。
一押し二金三男いちおしにかねさんおとこ女性を口説く場合の有効な手段。押しの強さが何といっても第一で、次いでお金が物をいう。ハンサムであることが第三の条件である。
一か八かいちかばちか結果はどうあろうと、吉か凶か、運を天に任せて思い切ってやってみること。
一芸は道に通ずるいちげいはみちにつうずる一つの芸道について奥義を究めた者は他の分野にも通じる道理を身につけている。どのような芸でも、つきつめていけば単なる技術を超えた普遍的な「道」に到達するとの意。
一期一会いちごいちえ生涯にただ一度会うこと。また、一生に一度限りであること。
一合雑炊二合粥三合飯に四合団子五合牡丹餅六合粟餅いちごうぞうすいにごうかゆさんごうめしにしごうだんごごごうぼたもちろくごうあわもち一食に一人が食べられる量をいう。雑炊なら米一合で満腹だが、粥なら二合、飯なら、と続く。
一合取っても武士は武士いちごうとってもぶしはぶしたとえ禄高はごくわずかであっても、武士には武士としての誇りと本分があると、少禄の武士が気を吐くことば。
一事が万事いちじがばんじ一事が万事を示している、一事を見れば他の万事を推測することができる。よくない部分を見て、他の部分も同じように悪いだろうと推察するときに使うことが多い。
一日再び晨なり難しいちじつふたたびあしたなりがたし一日の間に朝は二度とこない意で、時間を大切にして勉学に励めという戒め。
一度はままよ二度はよしいちどはままよにどはよし最初に悪事に手を染めるときには、良心のとがめを感じながら、なるようになれ「ままよ」とばかり飛び込むが、二度目となると、もはやあたりまえになってしまう。
一難去ってまた一難いちなんさってまたいちなん災難をようやく逃れたと思ったら、また別の災難に襲われる。次々と災難が襲ってくること。
一に看病二に薬いちにかんびょうににくすり病気を治すのに最も必要なものは、心のこもった行き届いた看病であり、薬は次の要件である。
一日暖めて十日冷やすいちにちあたためてとおかひやす一日だけ勤勉に努め、あとの十日は怠ける、怠けるほうが多い。一方で努力し、一方ではそれを破るたとえにもいう。
一日逢わねば千秋いちにちあわねばせんしゅう一日会わないと千年も会っていないぐらいに長く感じる。男女間における思慕の情の切なるさまをいう。
一日千秋の思いいちにちせんしゅうのおもい一日が千年もの長さに感じられるほど長い。未来の事柄を待ちこがれる気持ちの表現。
一日の計は朝にあり一年の計は元旦にありいちにちのけいはあさにありいちねんのけいはがんたんにあり一日をうまく過ごすには朝、一年をうまく過ごすには元旦にしっかりした計画を立てなければならない。何事も最初の計画が肝心である。
一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪ひくいちにほめられにににくまれさんにほれられしにかぜひくくしゃみの数による占い法。一回ならだれかがほめてくれている。二回なら憎まれている。三回なら惚れられている。そして四回なら風邪をひく前兆である。
一念天に通ずいちねんてんにつうずやり遂げようとする堅い決意さえ持っていれば、その意志は天に通じて不可能と思われることでも実現できる。
一の裏は六いちのうらはろく悪い事の後にはよい事があるというたとえで、悪い出来事に出会った人を励ますときに用いられる。
一姫二太郎いちひめにたろう最初の子供は育てやすい女の子、次に男の子という順序で生むのが理想的である。第一子に男子を望んでいた人に女子が生まれた際の慰めにも用いられる。
一富士二鷹三茄子いちふじにたかさんなすび初夢に見るもので、縁起が一番よいのが富士山、二番目が鷹、三番目が茄子である。
一文吝みの百知らずいちもんおしみのひゃくしらず目先のわずかな出費を惜しんで、後で大損をする愚に気づかぬたとえ。目先の損得だけを考えずに、将来の利益を考えて金を使うことを知らなければならないという教え。
一文銭で生爪はがずいちもんせんでなまづめはがすわずかな金でも出すのが嫌で、そのために我が身をそこなっても悔いはない、というけちんぼのたとえ。
一文持って峠越すいちもんもってとうげこす落ちぶれて国を逃げ出す、夜逃げをするという意味。
いちゃつきゃ踏つくいちゃつきゃへそつく男女の仲は単にじゃれあって、ふざけることからでも深い関係になってしまう可能性がある。
一葉落ちて天下の秋を知るいちようおちててんかのあきをしる他の木より早く落葉する青桐の葉の一枚が落ちるのを見て、秋の気配を知るの意で、物事の僅かな兆しからその後に来る大勢を察知する。
一陽来復いちようらいふく冬が去って春が来ることをいい、転じて苦難の時代を経て明るい前途が開ける意味に使う。
一輪咲いても花は花いちりんさいてもはなははな一輪だけ咲いた桜の花でも、木全体が満開の時と同じ桜の花だ。小さくて目立たない存在であっても本質的には変わらない。
一を聞いて十を知るいちをきいてじゅうを知るわずかなことを聞いただけで全体を悟ること。理解が早く、洞察の鋭いたとえ。
一を知って二を知らずいちをしってにをしらず一つのことだけを知っていて他のことを知らない。見解が狭く、知識が浅く、応用力のないこと。
一攫千金いっかくせんきん莫大な金を一度にやすやすと手に入れること。一仕事で巨利をつかむこと。
一挙手一投足いっきょしゅいっとうそく一度だけ手をあげ、足を動かす意味で、こく些細な動作、振る舞いのこと。また、ちょっとした骨折り、わずかな労力のこと。
一挙両得いっきょりょうとく一つの事をすることによって、同時に二つの利益を得ること。
一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆいっけんかげにほゆればひゃっけんこえにほゆ一匹の犬が影を見て、または何かにおびえてほえると、あたりの犬がその声につられてほえ出す。一人がいい加減なことを言い出すと、世間の人がそれを事実として広めてしまうこと。
一刻千金いっこくせんきんわずかな時間である一刻が千金にも値するということで、大切な時間や楽しい時間が過ぎ去るのを惜しむことば。
一将功成りて万骨枯るいっしょうこうなりてばんこつかる一人の将軍が輝かしい功名を上げる陰には、たくさんの兵士の犠牲がある。無名の犠牲者を忘れて、功績を指導者だけに帰することへの批判の言葉である。
一生添うとは男の習いいっしょうそうとはおとこのならい「一生涯夫婦として連れ添うから」と言うのは、男が女に言い寄って口説くときの決まり文句である。
一生徳利こけても三分いっしょうどっくりこけてもさんぶ一升徳利は、転がって中身がこぼれても、もともと容量が大きいから、まだ中に三合くらいは残っているものだという意で、元手が大きければ、多少損をしても、すっかりなくなってしまうことはない。
一升徳利に二升は入らぬいっしょうどっくりににしょうははいらぬ一升と決まった入れ物にはどのようにしても一升しか入らない。ものには限度がある、なるようにしかならないというようなときのたとえ。
一升の餅に五升の取り粉いっしょうのもちにごしょうのとりこ小事であっても、それを果たすためにはめんどうなことがいろいろと出てくる。主となるものより、それに付随するもののほうが多くなるたとえ。
一寸先は闇いっすんささはやみ目の前が真っ暗で一寸先のことも見えない、行く手には何があるかわからないの意。未来のことはまったく予測できない、何が待ち受けているかわからない。予測できない不幸などに使う。
一寸の光陰軽んずべからずいっすんのこういんかろんずべからずちょっとの時間も無駄にしてはいけないという戒め。
一寸延びれば尋延びるいっすんのびればひろのびるさしあたっての苦労や困難を耐え忍んで切り抜ければ、それから先は楽になって万事うまくいくという意味。苦しんでいる人に前途の希望を持たせるときに使う。
一寸の虫にも五分の魂いっすんのむしにもごぶのたましい人はだれでも、その人なりの意地や考えをもっているものだから、どんなに小さい弱い者でも軽視できない。また、自分の意地などを示すときにいうことば。
一石二鳥いっせきにちょう一つの石を投げて同時に、二羽の鳥を落とす意で、一つの事をして同時に二つの利を得る。
一銭を笑うものは一銭に泣くいっせんをわらうものはいっせんになくたかが一銭、と金をおろそかにする者は、いずれその一銭がなくて泣くはめになる。たとえ少額であっても金銭は大事にしなくてはならない、という戒め。また、節約や貯蓄を勧める言葉。
一朝一夕いっちょういっせき一朝か一晩、あるいは一朝と一晩という意味で、短い期間や日時のこと。
一刀両断いっとうりょうだん一太刀で真っ二つに断ち切る意味から、思い切りよく物事をずばりと解決する。決断のすみやかなさま。
一敗地に塗れるいっぱいちにまみれる一度の戦いで再起不能なほど徹底的に打ち負かされること。
一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂ういっぴきのうまがくるえばせんびきのうまがくるう一人の行動が、他の人の行動を駆り立ててしまうこと。群衆は付和雷同しやすいことをたとえていう。
鷸蚌の争いいつぼうのあらそい互いに利益を争っているうちに、第三者にまんまと利益を横取りされてしまうこと。
いつまでもあると思うな親と金いつまでもあるとおもうなおやとかね親はいつまでも生きてめんどうを見てくれるものではないし、金も使えば使うだけ減っていく。独立と倹約を大切にせよと教えるもの。
いつも月夜に米の飯いつもつきよにこめのめし毎日が月夜で米の飯が食べられる暮らしが続けば申し分はないという、苦労のない気楽な生活のたとえ。
佚を以て労を待ついつをもってろうをまつ自分のほうはゆったりと構えていて、遠くから攻めて来る敵の疲れに乗じて迎え討つ。これが有利に戦う方法である。
いとしけりゃこそ、しとと打ていとしけりゃこそ、しととうて真に愛しているからこそ、相手に本当によくなって欲しいという願いから、心から反省させるために強く打つ。
田舎の学問より京の昼寝いなかのがくもんよりきょうのひるね田舎で一生懸命勉強するよりも、都で怠けているほうが、見聞を広め、知識を身につけることができる。
犬一代に狸一匹いぬいちだいにたぬきいっぴき犬は一生の間に、狸ほどの大きな獲物を捕るのは一度あるかなしだの意で、めったにないチャンス、珍しい辛運などのたとえ。
戌亥の夕立と伯母御の牡丹餅は来ぬためし無しいぬいのゆうだちとおばごのぼたもちはこぬためしなし北西の方角で降りはじめた雨が必ず本降りとなってやって来ることを、伯母が姪や甥をかわいがることと対にしていったもの。
犬は三日飼えば三年恩を忘れぬいぬはみっかかえばさんねんおんをわすれぬ人は三日問餌をやってかわいがるだけで三年もその恩を忘れない。犬でさえそうなのだから人間は恩を忘れないのが当然。
犬も歩けば棒に当たるいぬもあるけばぼうにあたる犬も歩けば棒で殴られる、という解釈で、何か事をすればそれだけ災難にも遭いやすい、という意味。
犬も朋輩鷹も朋輩いぬもほうばいたかもほうばい鷹狩りのときには、犬は下働きであり、鷹のほうがずっと格が上である。しかし、どちらも同じ主人に仕える仲間である。役目や地位が違っても同僚としての義理があることをいう。
犬も他所負けいぬもよそまけ犬は自分の縄張りの外に出ると、おじけづいて思うように戦えない。犬もそうなのだから、人間ではなおさらである。自分の勢力圏の中では威勢がよくても、外へ出ると、元気がなくなることをいう。
猪も七代目には豕になるいのししもしちだいめにはいのこになる変わらないようでも、長い年月の間にはそれなりに変化している。
命あっての物種いのちあってのものだね物種とは物の根元となるもののこと。何事も命あってのこと、命がなくなればすべておしまい。
命長ければ恥多しいのちながければはじおおし長年きをすると恥をかく機会も多い。早死にすればこんな目に遭わなくてすむのにと思うほどである。
命の洗濯いのちのせんたく衣類に付いた垢や汚れを洗い落とすように、思い切り楽しむことで日ごろの生活で積み重なった苦労を忘れてさばさばすること。
井の中の蛙大海を知らずいのなかのかわずたいかいをしらず自分の狭い見識や知織にとらわれて、ほかに広い世界のあることを知らずに得々としているたとえ。狭量で世間知らずな人間を指していうことが多い。
茨垣を裸身で潜るいばらがきをはだかみでくぐる茨の垣根を裸で潜れば全身傷だらけになることから、極めて苦痛な。
韋編三度絶ついへんみたびたつ韋編とは皮ひもで竹の札をつづった中国の昔の書物。広く書物のことも指す。繰リ返し本を読む、熟読する。
居仏が立ち仏を使ういぼとけがたちぼとけをつかう居仏とは座像の仏のこと。座っている者が自分は立たずに、立っている者にあれこれと用事を頼むこと。
今鳴いた烏がもう笑ういまないたからすがもうわらう今まで泣いていたと思ったら、もう機嫌を直して笑っているという、憎めない変わりようをいうたとえ。
今の情けは後の仇いまのなさけはのちのあだ一時の感情や安易な同情による手助けは、かえってためにならない。あとになって害になることがある。
今参り二十日いままいりはつか今参りは新しく来た者、新参者の意。奉公人は来たばかりのときにはよく働くが、それも二十日ほどで、まもなく怠けるようになる。
芋の煮えたも御存じないいものにえたもごぞんじない芋が煮えたか煮えないかの判断ができないこと。世間知らずの若様や姫君の無知を笑う言葉。甘やかされて育った人間のたとえ。
いやいや三杯いやいやさんばい口では辞退するくせに、勧められるといくらでも飲み食いすること。口先ばかりの遠慮を笑うときに使うことば。
嫌じゃ嫌じゃは女の癖いやじゃいやじゃはおんなのくせ女というものは男に口説かれた時、内心いやでない場合でも、すぐに応じるのはみっともないと思うので、とりあえずはじめはいやだという癖がある。
厭と頭を縦に振るいやとかぶりをたてにふる口では「厭」と言いながら、頭を縦に振って内心では実は承諾しているという、年頃の女性の心理を巧みに表現したことば。
いらつは恋の癖いらつはこいのくせ恋をしていると、次に恋人に会うまでの時間が非常に長く感じられて、いらいらしたり、あるいは、恋人に会いたくても思うように会えなかったりなどして、とかくいらいらすることが多い。
いらぬ物も三年経てば用に立ついらぬものもさんねんたてばようにたつ今は不用の物であっても、三年も取っておけば役に立つ機会がきっとあるという意味。性急に判断して物を捨てたりするものではない。
入日よければ明日天気いりひよければあすてんき夕日が美しければ翌日はよい天気になる。
入船に良い風出船に悪いいりふねによいかぜでふねにわるい港に入ってくる船にとっての順風は、出ていく船にとっては逆風で悪い。すべてによいことはない。一方の利は他方の不利である。
煎り豆と小娘は傍にあると手が出るいりまめとこむすめはそばにあるとてがでる煎り豆はあとを引く食べ物で、そばにあるうちは止められずについ手が出るものであり、小娘もそばにいると、その初々しさに引かれて、手を出し誘惑したくなるものだ。
入るを量りて出ずるを為すいるをはかりていずるをなす収入をよく計算して、それに応じた支出をする。健全な経済の道を説いたもの。
色男金と力はなかりけりいろおとこかねとちからはなかりけり女にもてる美男子には、とかく金がなく腕力もないものだ。
色気より食い気いろけよりくいけ色恋の欲よりも食欲の方が先である。
色事は銘々稼ぎいろごとはめいめいかせぎ恋を射止めることができるかできないかは、それぞれの腕次第である。したがって、ライバルに対して遠慮する必要もない。
色好みの果ては怪しき者にとまるいろごのみのはてはあやしきものにとまる色々と多くの女をより好みすることを続けていると、その結果は、変なつまらない女と一緒になることになる。
色の白いは七難隠すいろのしろいはしちなんかくす色白の女性は少々の欠点や難点があっても美しく見えるものだという意。
色の世の中、苦の世界いろのよのなか、くのせかい世の中というのはその大半が色恋沙汰と人生苦とで成り立っている。それほど色恋が人の生活の中に占める割合は大きい。
色は思案の外いろはしあんのほか色恋の成り行きには、いろいろと常識で考えてみても、判断のつかないことがある。また、色恋は人の理性を狂わせ、意に反した思慮分別のない言動をとらせるものである。
鰯網で鯨捕るいわしあみでくじらとる鰯漁の網に鯨がかかったということから、偶然の幸運や意外な収穫のたとえ。また、鰯網で鯨が捕れるはずがないことから、あり得ない。
鰯で精進落ちいわしでしょうじんおち魚肉を食べないという精進の禁戒を、鰯のようなつまらない魚を食べたために破ること。つまらぬことで努力を水の泡にする。
鰯の頭も信心からいわしのかしらもしんじんから鰯の頭のようなつまらないものでも、信仰する人にとってはひどくありがたいものだ。信仰の力の不思議さをいう。また、わけのわからないものを頑固に信じ込んでいる人をからかう言葉。
言わぬが花いわぬがはな花はよいもの、ゆかしいものの象徴。はっきりと口に出して言わないほうが、趣が深くてよい。はっきり言うと差し障りがあるから、言わないほうがよいという意味もある。
言わぬ事は聞こえぬいわぬことはきこえぬ前もって言っておかないと、人に理解させることはできない。あとで知らなかったと言われないように、念を押しておく意味。
言わぬは言うに勝るいわぬはいうにまさる沈黙を守るほうが効果的、安全という意味もある。
言わねば腹膨るいわねばはらふくる何か心に思っていることがあると、腹が膨れているようでどうにもならない気持ちがする。
謂れを聞けば有難やいわれをきけばありがたやわけがわからないで見たのではつまらないものでも、その由来を聞くと急にありがたみが増す。
夷を以て夷を制すいをもっていをせいす外国同士を敵対させ、一国の力で他国を劣さえることによって、自分の国は何もしないで利益と安全を図るという意味。
殷鑑遠からずいんかんとおからず殷の国民が鑑(手本)とするべきものは、遠くに求める必要はない。すぐ前の時代の夏の国の滅亡がよい戒めであるという意味。
飲食男女は人の大欲いんしょくだんじょはひとのたいよく食欲と性欲は、人間にとって避けることのできない強い欲望である。
「あ」から始まることわざ「い」から始まることわざ
「う」から始まることわざ「え」から始まることわざ
「お」から始まることわざ「か」から始まることわざ
「き」から始まることわざ「く」から始まることわざ
「け」から始まることわざ「こ」から始まることわざ
「さ」から始まることわざ「し」から始まることわざ
「す」から始まることわざ「せ」から始まることわざ
「そ」から始まることわざ「た」から始まることわざ
「ち」から始まることわざ「つ」から始まることわざ
「て」から始まることわざ「と」から始まることわざ
「な」から始まることわざ「に」から始まることわざ
「ぬ」から始まることわざ「ね」から始まることわざ
「の」から始まることわざ「は」から始まることわざ
「ひ」から始まることわざ「ふ」から始まることわざ
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