ことわざ辞書「ひ」から始まることわざ
「ひ」から始まることわざ一覧
ことわざ | よみ | 意味 |
日陰の豆も時が来ればはぜる | ひかげのまめもときがくればはぜる | 日陰で育った豆でも、時期がくれば自然にさやが割れてはじけ出るように、心身の発達が遅れている者でも、一定の年齢になると思春期を迎えるものだ。 |
東雷雨降らず | ひがしかみなりあめふらず | 東のほうで雷のする時は雷鳴ばかりで、雨となることはない。 |
飛脚に三里の灸 | ひきゃくにさんりのきゅう | 足の速い飛脚の足に灸をすえれば、ますます足が速くなることから、勢いのあるものに更に勢いを加える。 |
低き所に水溜まる | ひくきところにみずたまる | 水は自然に低い所に流れるように、利のあるところは利を求めて人が自然に集まってくる。また、悪い者のところには悪い者が集まるたとえにもいう。 |
美言信ならず | びげんしんならず | 美しい言葉や巧みな言葉、あるいは人の気に入るようなほめ言葉は、真実が乏しく信用できない。 |
美女は命を断つ斧 | びじょはいのちをたつおの | 美女の色香に溺れると、不摂生を招いて寿命を縮めたり、身を滅ぼしたりすることになる。つまり、美女は男の寿命を縮め、身を滅ぼす恐ろしい凶器である。 |
左鮃右鰈 | ひだりひらめみぎかれい | 鮃と鰈の見分け方をいったもので、体の左側に両目が付いているのが鮃で、右側に付いているのは鰈である。 |
引っ越し三両 | ひっこしさんりょう | 一度の引っ越しに三両ぐらいはかかるという意味で、引っ越し費用が馬鹿にならないことをいったことば。 |
未の時に晴るるは雨には蓑笠を脱ぐ | ひつじのときにはるるはあめにはみのかさをぬぐ | 午後二時ごろに降り止んだ雨は、晴れあがってふたたび降り出すおそれがない。 |
匹夫の勇 | ひつぷのゆう | つまらない男がよく見せるような、血気にはやるだけで思慮の足りない勇気、振る舞いのこと。 |
匹夫も志を奪うべからず | ひっぷもこころざしをうばうべからず | 身分が低い男でも、その志が堅固であるならば、だれもその志を動かすことはできない。 |
旱に雨 | ひでりにあめ | 日照りが続いて乾燥しきった田畑に、やっとのことで雨が降るという意味。切望していたことが実現した喜びのたとえ。また、待ちかねていることのたとえにも使う。 |
日照りの朝曇り | ひでりのあさぐもり | ひでりの時は、朝のうちは曇りがちである。 |
人垢は身に付かぬ | ひとあかはみにつかぬ | 汚れた風呂に入るときのことば。また、他人から借りた物や取り上げた物は、本当の自分の物にはならない意にも用いる。 |
人跡繁ければ山も窪む | ひとあとしげければやまもくぼむ | 大勢の人が行き来して踏めば、山も次第に窪んで低くなる意から、わずかなことでも度重なれば大きな結果になる。 |
人衆ければ天に勝つ | ひとおおければてんにかつ | 人の数が多くその勢力が強いときは,天理に背くことをしても、一時的には栄えることもある。 |
人こそ人の鏡 | ひとこそひとのかがみ | 他人の言動をよく見ることが、自分の行いを正しくすることのよい手本になる。 |
人盛んにして神祟らず | ひとさかんにしてかみたたらず | 人の運勢が盛んなときは、不正なことをしても神仏はどうすることもできない。 |
人盛んにして天に勝つ | ひとさかんにしててんにかつ | 人の運が強く、勢いが盛んな時には、天の正しい道理にそむいた行動をしても成功することがある。ただし、一時的なものだという裏の意味がある。 |
人通りに草生えず | ひとどおりにくさはえず | 大勢の人が通って踏みつける土地には草が生えないということで、いつも使っている道具はさびつかない。多くの人が手がける商売で儲けるのは難しいという意味でも使う。 |
一時違えば三里の遅れ | ひとときちがえばさんりのおくれ | 一時でもぐずぐずしていて進まないと、たちまち旅程が三里遅れるということで、少しぐらいと思って油断すると大きな差がついてしまう。 |
人に勝たんと欲する者は必ず先ず自ら勝つ | ひとにかたんとほっするものはかならずまずみずからかつ | 人に勝とうと思ったら、その前に自分自身の欲望や弱点に打ち勝つ必要がある。克己心の大切さを説くことば。 |
人に七癖我が身に八癖 | ひとにななくせわがみにやくせ | 他人の癖を七つも見つけたら、自分には八つの癖があると反省するべきだという意味。他人の癖は目についても自分の癖には気づかないことの戒め。 |
人には飽かぬが病に飽く | ひとにはあかぬがやまいにあく | 長患いの病人を看護するのは嫌ではないが、いつまでも治らない病気には嫌気がさすものだということで、長患いの病人を看病する者の負担と嘆きのことば。 |
人には添うて見よ馬には乗って見よ | ひとにはそうてみようまにはのってみよ | 人は親しく付き合ってみなければその人の本質はわからないし、馬も実際に乗り回してみなければその良否はわからないの意で、外見だけを見て、その人を軽々しく判断してはいけないという戒め。 |
人の過ち我が仕合せ | ひとのあやまちわがしあわせ | 人がたまたま起こした失敗が、自分に思いがけない幸運をもたらすこと。 |
人の一寸我が一尺 | ひとのいっすんわがいっしゃく | 他人の欠点は僅かなものでも目につくが、自分の欠点は大きなものでも気がつかない。 |
人の苦楽は壁一重 | ひとのくらくはかべひとえ | どんなに大きな苦しみや喜びも、壁一つ隔てた隣の家のことであれば、自分には他人事としか感じられない。 |
人の事は我が事 | ひとのことはわがこと | 他人の身の上に起こったことでも、いつ自分の身に巡ってこないとも限らないから心せよという戒め。 |
人の事より我が事 | ひとのことよりわがこと | 人の世話を焼く前に自分の事をきちんとせよという意味。また、人に同情するよりも自分の利益を考えよという意味でも使われる。 |
人の子の死んだより我が子の転けた | ひとのこのしんだよりわがこのこけた | 他人の子どもが死んだ場合には一通りの同情しか覚えない人も、自分の子どものことになると転んだくらいで大騒ぎする。それほど、人は自分の子どもが可愛い。 |
人の七難より我が十難 | ひとのしちなんよりわがじゅうなん | 他人の欠点はあれこれよく目につくが、自分にはそれ以上の欠点があっても、自分のこととなるとなかなか気づかないものである。 |
人の振り見て我が振り直せ | ひとのふりみてわがふりなおせ | 他人の言動のよしあしを見て、自分の振る舞いを反省し、直すべきところは改めよという教え。 |
人は落ち目が大事 | ひとはおちめがだいじ | 人が落ち目になった時こそ、温かい援助の手を差し伸べてやらなければならない。また、自分が落ち目になった時こそ、自暴自棄にならず慎重に行動しなければならない。 |
人は盗人火は消亡 | ひとはぬすびとひはしょうもう | 人を見たら泥棒と思い、火を見たら火事と思えということで、すべて何事も用心するに越したことはないという教え。 |
人は病の器 | ひとはやまいのうつわ | 人の体は病気を入れておく容器のようなもので、次から次へといろいろな病気が出てくる。 |
人貧しければ智短し | ひとまずしければちみじかし | 人間は、貧乏していると知恵の働きも鈍くなる。 |
一人口は食えぬが二人口は食える | ひとりぐちはくえぬがふたりぐちはくえる | 一人者は無駄遣いが多くて生活は苦しいが、夫婦暮らしは家計のやりくりを工夫するので、かえって生活が楽になる。 |
一人娘と春の日は暮れそうで暮れぬ | ひとりむすめとはるのひはくれそうでくれぬ | 一人娘は親が手放すのを惜しんで、なかなか嫁にやらないものだということを、暮れそうで暮れない春の夕日と並べて、「呉れる」と「暮れる」とを掛けたもの。 |
人を怨むより身を怨め | ひとをうらむよりみをうらめ | 相手の仕打ちを怨む前に、相手にそのような行為をさせる原因が自分にあったことを反省せよという教え。 |
人を謗るは鴨の味 | ひとをそしるはかものあじ | 他人の陰口を、言うのは快いものである。 |
人を呪わば穴二つ | ひとをのろわばあなふたつ | 他人を呪い殺して墓穴に入れようとする者は、自分も同じ目にあってもう一つの墓穴に入るようになる。他人の不幸を願えば自分も不幸になるという戒め。 |
人を見たら泥棒と思え | ひとをみたらどろぼうとおもえ | 他人は信用できないものだから、まず疑ってかかれ。用心を呼びかけることば。 |
人を以て言を廃せず | ひとをもってげんをはいせず | 優れた意見であれば、それを述べたのがつまらない人間であっても採用する。人を見て、意見の内容も検討せずに無視したりはしない。 |
火に油を注ぐ | ひにあぶらをそそぐ | 燃えている火に油を注ぎかけるように、勢いのあるものを更に勢いづかせる。余計な手出しや口出しをして、収拾がつかなくなるようなたとえにもいう。 |
美味も喉三寸 | びみものどさんずん | 食べ物をおいしいと感じるのは候を通るまでの三寸ほどの間であるということから、料理などに気を使うのは無駄だという意味。さらに、どんなにうれしいことでも一瞬にすぎないというたとえでもある。 |
比目の魚 | ひもくのうお | 大婦仲が非常にむつまじい。 |
百尺竿頭一歩を進む | ひゃくしゃくかんとういっぽをすすむ | 百尺もある竿の先端に到達しても、更に一歩を進めようとする意で、高い頂上を極めてもそれに満足せずに、更に向上進歩を図る。 |
百姓百層倍 | ひゃくしょうひゃくそうばい | 農民の仕事は、種をまけばその収穫は百倍にもなる利の大きいものだ。 |
百川海に朝す | ひゃくせんうみにちょうす | あらゆる川は海に向かって流れるという意から、利益のあるところには自然と人が集まる。 |
百戦百勝は善の善なる者に非ず | ひゃくせんひゃくしょうはぜんのぜんなるものにあらず | 百回戦って百回勝つというのも素晴らしいが最善ではない。それより優れているのは、戦わないで敵に勝つことだという意味。 |
百年論定まる | ひゃくねんろんさだまる | 人物やその人の業績、芸術作品の価値などは、その人の死後長い年月を経てようやくその評価が定まるものである。 |
百聞は一見に如かず | ひゃくぶんはいっけんにしかず | 人から百回話を聞くよりも、自分の目で一度見て確かめることのほうが碓実である。 |
百里を行く者は九十里を半ばとす | ひゃくりをゆくものはくじゅうりをなかばとす | 何事をするにしても、残り少しの所で気を引き締めないと失敗するという戒め。 |
比翼の鳥 | ひよくのとり | 伝説上の鳥で、雌も雄も、一目、一翼しかもたず、常に雌雄一体となって飛ぶとされることから、男女の契りの深い。 |
比翼連理 | ひよくれんり | 相思相愛の男女の仲や、夫婦の情愛の深い。 |
枇杷が黄色くなると医者が忙しくなる | びわがきいろくなるといしゃがいそがしくなる | 枇杷の実が黄色く熟すのは初夏であり、夏になると病人が増えだすので医者が繁盛する。 |
貧すれば鈍する | ひんすればどんする | 人間というものは、貧乏になると精神までが貧しくなり、金欲しさからさもしいことまでするようになる。 |
貧にして楽しむ | ひんにしてたのしむ | 品性が高く教養のある君子は、貧しい中にあっても学問やそのほかの生活に楽しみを見いだしてあくせくしない。 |
貧の盗みに恋の歌 | ひんのぬすみにこいのうた | 貧しさから盗みを働くのであり、また、恋をすればその恋心を表に現わしたくて、あるいは相手に伝えたくて歌を読むようになること。 |
貧乏難儀は時の回り | びんぼうなんぎはときのまわり | 貧乏をしたり苦労をしたりするのは時のめぐりあわせであるから、悲観をすることはない。 |
貧乏人の子沢山 | びんぼうにんのこだくさん | 子供を養育する余裕のない貧乏人に、とかく子供が多い。 |
貧乏は達者の基 | びんぼうはたっしゃのもと | 貧しい者はからだを動かしてせっせと働くから丈夫になり病気をしない。 |
貧乏花好き野良木好き | びんぼうはなずきのらきずき | 野良は怠け者のこと。貧しい人間が花作りを好み、怠け者が庭木などの道楽をする。境遇に不似合いなことを好むたとえにいう。 |
貧乏暇なし | びんぼうひまなし | 貧乏していると、稼ぐのに忙しくて休む暇もない。無沙汰の弁解などにも用いる。 |
貧ほど悲しき事はなし | ひんほどかなしきことはなし | 世の中に悲しいことやつらいことはたくさんあるが、中でも貧乏なのがいちばん悲しいことだ。 |